「血圧が高い」
「動脈硬化が強い」と
言われた
ことはありませんか?
CAUTION FOR HIGH BLOOD PRESSURE AND ARTERIOSCLEROSIS
重症の高血圧は頭痛・めまい・肩こりなどの自覚症状を起こすことがありますが、ほとんどの高血圧は症状が乏しいまま進行します。高血圧・動脈硬化はすぐに体調に異変が出るわけではなく、つい放置してしまいがちです。しかし、心筋梗塞や脳卒中など命に関わる病気の発症を警告する体から出された大切なサインです。軽視せずしっかり治療しましょう。
高血圧とは、心臓から送り出される血液が血管の壁に強い圧力をかけている状態です。血管への圧力が長期間続くと、血管の内側を少しずつ傷つき、弾力を失い硬くなり、詰まりやすくなります。このような状態を動脈硬化とよびますが、特にアテローム性動脈硬化では、傷んだ血管にLDL(悪玉)コレステロールがたまり(プラーク)、血流が悪くなったり、血管が詰まったりして、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を引き起こします。
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01血圧が高い状態が続くと、血管の内側が傷つきます。
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02傷ついた血管にLDLコレステロールが入り込みます。
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03LDLコレステロールが積み重なるとプラークという塊になります。
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04プラークが大きくなると、血液の流れが悪くなります。最悪の場合血管が詰まってしまいます。
特に注意が必要なのは、高血圧・動脈硬化・LDL(悪玉)コレステロールの増加が同時にみられる場合です。これらはそれぞれが互いに悪影響を与え合い、動脈硬化を一層進行させやすくなる悪循環に陥ります。
血圧を5mmHg下げるだけで、未来が変わる? LOWERS BLOOD PRESSURE BY 5MMHG
収縮期血圧(上の血圧)をたった5mmHg下げるだけで、心臓や血管の病気で亡くなるリスクが約16%も低下します。さらに、血圧が120~124mmHgまで下がると、心臓や脳の病気になるリスクが29%も減少し、全体の死亡リスクも27%低下する報告もあります。
※引用元:
JAMA Cardiol . 2017 Jul 1;2(7):775-781. doi: 10.1001/jamacardio.2017.1421 Lancet . 2021 Sep 18;398(10305):1053-1064. doi: 10.1016/S0140-6736(21)01921-8.
減塩や運動、薬の内服といった
日々の小さな積み重ねが、
健康を守る大きな力になります。
家庭でも血圧測定しましょう MEASURE YOUR BLOOD PRESSURE AT HOME
日頃から自分の健康状態を把握することが大切です。家庭でも血圧を測りましょう。
血圧の測り方
(家庭でのポイント)
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発熱、せき、のどの痛み、鼻水など
朝:起床後1時間以内、排尿をすませて食事前に測定
夜:就寝前、入浴や飲酒直後は避ける
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吐き気、 下痢、便秘、おなかの張りなど
背もたれのある椅子に座って1〜2分休む。
足を組むと血圧が上がるため、両足とも床に足をつける
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めまい、ふらつき、立ちくらみ
血圧計のカフ(腕帯)は、素肌に直接巻く
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頭痛、肩こり、疲れやすい
家庭での血圧測定は、病院で測るよりも正確な傾向がわかり、自分の体の状態を把握するための重要なツールです。
予防と治療 PREVENTION AND TREATMENT
食事の見直し
減塩
成人の1日に必要な塩分量は男性7.5g未満、女性6.5g未満とされています。高血圧がある方は1日の塩分摂取量を1日6g未満にすることを推奨されています。
野菜や果物を
摂取
野菜や果物に多く含まれているカリウムには、降圧効果が期待できます。しかし、果物には糖分も含まれていますので肥満や糖尿病のある方は、制限カロリー内に収めましょう。
魚の摂取
魚のなかでも青魚に多く含まれるEPAやDHAなどは、血管の炎症を抑え軟らかくさせる作用があります。EPA・DHAは熱に弱いので刺身やカルパッチョがお勧めです。
運動
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適度な運動
1週間で合計3時間の運動、1日当たり30分程度のウォーキングなどの有酸素運動
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適正体重の維持
適正体重=[体重(kg)]÷[身長(m) 2 ]× 18~25(22が標準体重です)
降圧剤
医師が必要と判断した場合は、血圧を下げる薬を使用することがあります。自己判断で中断せず、医師の指導のもとで正しく服用しましょう。
当院での治療 TREATMENT AT OUR HOSPITAL
高血圧は今すぐ症状が出るわけではありませんが、放っておくと将来の病気につながる静かなリスクです。生活習慣を見直し、必要に応じて薬を内服することで、血圧を適切な範囲に保つことができます。当院では、頸動脈エコー検査による動脈硬化の評価、血管内プラークの有無を確認することが可能です。また、無理なく治療を続けられるよう、一人ひとりの生活スタイルやご希望に寄り添った診療を心がけております。お気軽にご相談ください。